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アート

on the table

インタリオ・オン・フォトの作品として最初に取り組んだシリーズ。それまでいろいろな方法を探りながら絵画について考える作品を制作していたが、一度リセットしてシンプルな手法に立ち返ったもの。「ただ目の前に存在するもの」として「on the table」というテーマにした。ものが存在し、そこにアプローチすることで制作が始まるという考えに基づいたもの。白い(ときには柄付きの)布を敷いた卓上に「もの」を置いて撮影するというスタイルが共通した方法。当時は写真と絵画の関係を通して、現実と虚構、絵画について考えていたが、写真の「写ってしまう」という性質をコントロールして、画面内をシンプルな白地にすることで、現実感が薄まり画面が絵画的になることに気づいたことが、このシリーズを始めるきっかけになった。
こういった対象に向き合う方法のベースには、李禹煥の鉄板の上に石を置いたような、もの派の作品があった。もの派の客観的でときには巨大な「もの」を扱うことで作品化するスタイルを、カボチャやリンゴなど、安価で日常的な自分にとってリアルなスケールものに置き換えて作品とした。



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