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アート

形態の記憶

モチーフを自作するようになった頃に始めたもの。
制作に写真撮影という過程がある以上、撮られる対象があるのだけれど、ある程度制作してくると、なぜそれを撮影するのかという、モチーフに対する必然性に疑問を感じ始めていた。繰り返し制作していくうちに、これを撮らなければならないという当初の理由から自分の意識は離れつつあったように思う。モチーフに必然的な理由が無いのであれば、無いということを作品にするしかないと、白く空疎で曖昧な形の立方体を自作して撮影することにした。
そして形態は徐々に記号化された記憶をもとに立方体から展開していった。自然発生的なフリーハンドの簡単なドローイングをきっかけに、方眼紙のマス目に沿って立体の設計図を描き制作した。規則に沿って制作していくと、必然性は外部化し、それによって徐々にモチーフに対する重苦しい気持ちは開放されていった。




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