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アート

抽象

具体的な対象物を撮影して制作している性質上、完全な抽象作品とは言えないかもしれないが、もし対象物が具体的な何かをそのまま示したものでない=抽象物であった場合はどうであろうか。撮影した写真が具体的なものの単なる記録、説明ではなく、絵画性を持ったなら、それは抽象絵画となるのではないか。抽象絵画とは、絵画を通して何かを説明するものではなく、説明的な具体性を欠くことによって、絵画自らが絵画であることを表明しているようなものではないだろうか。対象物から説明的な具体性を削ぎ、絵画空間に従属させるようにそれを配置すると、現実を描くという絵画の機能は曖昧になり、現実と絵画の関係が宙吊りにされるのではという思いから制作している。



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