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アート

私は制作を通して、作品、絵画など芸術について考えているのですが、考えるときは、芸術そのものの中から考えることもあれば、一度作品の外に出て、別の形を借りてきて考える事も多いです。それがモチーフなのですが、ここ数年、私は森をモチーフにすることが多く、今回の展覧会でも主に森をモチーフにしたものを中心に据えていこうと考えています。私にとっての森の魅力の一つは植物によってくつくられるオールオーバーな視覚的な世界にあります。そして、もう一つはその一見オールオーバーな世界の内に底知れぬ生命の息吹と死など未知の世界を感じるからではないかと思います。
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森の中では目の前のものや自分取り囲む物との距離、葉っぱ一枚とってもどの木から生えているのか判断するのも難しく、まして、森全体を簡単に一挙には捉えきれないと思うのですが、そういった中に私は身を投じて一つ一つ丁寧に見つめていきたいと思っています。しかし、一方で私はわがままにも、そういったことをしているところを眺める視点も持ちたいとも思っています。対象の中からの距離と外からの距離、その両方を測ることで自分のしていることの実態がつかめるようになるのではないか、(…略…)
(個展「森の距離」のステートメントより)



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