日本語
アート
前へ   次へ
山田純嗣

ジャコモ・バッラの《鎖につながれた犬のダイナミズム》に描かれている犬をモチーフとして作品化した小品。未来派は運動などをテーマに作品をつくっていたのですが、彼らがそのテーマを作品化するにあたっては、運動そのものではなく、絵画という方式をとっていたということが重要だと思いました。運動は、それをしている姿は描けない事はないまでも、運動そのものは描く事はできない。その事は「風」を描く事と同様で、風そのものは見る事ができないので、風になびく木であるとか、風に舞う葉を描くことになります。「見えないものを描く」ということ、これはたとえ写実的な作品であれ、絵画に共通する本質的な性格だと思うのですが、未来派の作品はこの事を気づかせてくれる良い例だと思い選びました。

展覧会歴

  • 2015年 「山田純嗣展 絵画をめぐって」Bunkamura Gallery(東京)
    2012年 「絵画をめぐって 死んでいるのか、生きているのか」不忍画廊(東京)

(12-9) DYNAMISM

 

2012年

24×30cm

ポリコートパネルに印画紙、樹脂、パールパウダー、インタリオ・オン・フォト

ed.5

1/5:個人蔵

2-5/5:作家蔵