リンゴがモチーフ。ものによっては皮を剥き、その皮が画面上方へ延びていく。この作品を作るときにイメージしていたのは、李禹煥の《線より》シリーズだった。《線より》の筆のストロークにあたる部分にリンゴを当てはめた。絵の具で「何か」を描くのではなく、絵の具以外ではないという《線より》の作品に、「何か」であるリンゴを当てはめた。「on the table」シリーズのこういった作品をつくったのは、やはり絵画には、何かを描くというイリュージョンの性質もあるのだ、という事も示さなくては不完全ではないかと感じていたことがある。イリュージョンと物質性、その両方が一つの画面に共存する作品を目指していた。
展覧会歴
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