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山田純嗣作品 制作工程

1 立体を作る
 (1) 立体の芯材を作る。芯になっているのは、竹ヒゴや針金、木粉粘土、樹脂粘土、スタイロフォーム(発泡スチロール)など。
 (2)  モチーフ台の前にカメラを据えて、作った立体を並べる。カメラを覗きながら実際にどう見えるかを確認しながら、少しずつ形やサイズを調整する。
 (3) 完成した立体の上に、石膏やジェッソをかける。様々な素材でできた立体が白色の丸みを帯びた形になり統一感が出る。

2 立体の写真を撮影する
 (1) 白い背景の空間に立体を並べる。絵画が再現されるようにカメラを覗きながらひとつひとつ微調整する。
 (2) 大型のフィルムカメラで撮影する。

3 写真をプリントする
 (1) 暗室で、撮影した2の写真を原寸に引き伸ばし、印画紙に焼き付ける。
 (2) 印画紙はモノクロ印画紙(バライタ紙)を使用する。

4 ドローイングをする。
 (1) 3の印画紙にトレーシングペーパーを重ね、写真をトレースしながらペンとインクでドローイングする。

5 製版する
 (1) 4のドローイングをコンピュータでスキャニングし、サイズや色調などの調整をした後、白黒を反転させる。
 (2) 専用のレーザープリンターで特殊な転写紙にプリントアウトする。
 (3) 銅板に転写紙を重ね、熱プレス機で圧着し、トナーのみを銅板に転写する。
 (4) 微調整をした後、銅版を腐食液に浸け腐蝕する。
 (5) 腐蝕後の版に、更にエッチングやアクアチントなどを加えていき、版を完成させる。

6 版を刷る(インタリオ・オン・フォト)
 (1) 3の印画紙に5の銅版をプレス機を使い刷り重ねる。写真に凹版(=インタリオ)を刷り重ねるこの工程のことを、インタリオ・オン・フォトと呼んでいる。

7 パールペインティング、樹脂コーティングをする
 (1) 充分に乾燥させた6の印画紙を、ポリなどの樹脂で表面加工されたパネルに張り込む。
 (2) 作品によって偏光パール顔料(光の反射角度によって色が変化して見える顔料)を混ぜて作った絵の具やラメを混ぜて作った絵の具で部分的にペインティングをする。
 (3) 自動車塗装などにも使われるウレタン樹脂でコーティングし、完成。