日本語
アート
前へ   次へ
山田純嗣

レオナルド・ダ・ヴィンチの《受胎告知》のうち、足下の草の部分をモチーフにした作品。古典の作品も部分だけを取り出すと、抽象性が増す。
ルネサンス期のボッティチェルリやレオナルドなどに見られる、植物に対する肉眼の認識を超えているような執拗な描き込みに興味を持ったことをきっかけに作品化したもの。
印象派以降は違和感無く受け入れられている屋外にキャンバスを立て、実際に自然を観察しながら風景を描くという行為も、ルネサンス期には無かったことで、《受胎告知》で描かれている自然は、植物の生えている庭の光景を描きながらも、実際に目の前にある自然を描いたものではなく、一つ一つの植物のスケッチなどを集め、編集して絵画の中で作られたものであり、絵画でしか成りたたない自然である。
自然の光景を見て「絵のようだ」と思うこととはどういうことか、レオナルドの《受胎告知》における植物の描写は、このことについてヒントを示しているようで、「絵画とは何か」ということを考えている自分にとってはとても興味深いモチーフである。

展覧会歴

  • 2008年 「VISIONS 増殖するイメージ」日本橋高島屋美術画廊X、新宿高島屋美術画廊(東京)
  • 2007年 「Bunkamura ART SHOW 07 -extremes meet-」Bunkamura Gallery(東京)
  • 2007年 個展 ギャラリーA・C・S(名古屋)

(07-26) GARDEN

 

2007年

134×162cm

ポリコートパネルに印画紙、樹脂、インタリオ・オン・フォト

ed.1

個人蔵