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アート
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山田純嗣

 名古屋の現代美術を紹介する展覧会、1994年に第1回が行われ、今回が第4回目。
 出品者は、青田真也、大崎のぶゆき、川見俊、坂本夏子、佐藤貢、設楽陸、田島秀彦、判治佐江子、文谷有佳里、山田純嗣。
 山田は、展示室の最初のスペースを与えられ、エントランスと通路、展示室の3箇所を浄土への道のりに見立てたインスタレーションにした。

 通路から入った展示室の壁面のうち3面は、《(12-2)PURE LAND - SUN AND MOON LANDSCAPE》と題したインスタレーションを設置した。これは、過去の平面作品と、銀色に輝く金属蒸着フィルムにグルーガンで大阪の金剛寺にある《日月山水図屏風》をもとにしたドローイングを組み合わせたものである。このドローイングは、搬入展示期間中に美術館で描いた。
 《日月山水図屏風》は、六曲一双の屏風で、右隻に春と夏の自然と太陽が、左隻に秋と冬の自然と月が描かれている。自然に畏怖を感じ、そこに神性を見出すとともに、この作品では昼と夜、四季といった時間の移ろいが一双の中に現され、時空を超えた永遠の世界が表現されている。そんな様子を浄土をあらわすこの部屋の壁面に描いた。それぞれ太陽と月を現す部分には、丸いパネルの作品がかかっている。自分を含めた周りの景色を映すこの壁面は、空間に永遠の広がりを与え、また平泉の中尊寺金色堂のような、きらびやかな浄土世界を表現している。

「ポジション2012 名古屋発現代美術 この場所から見る世界」名古屋市美術館 展示風景 (1)

 

2012年6月2日−7月16日

主催:名古屋市美術館、日本経済新聞社、テレビ愛知